伊賀先生がお近くで開業されており、いつかは先生の診療を見学したいと思っていました。昨日は加えて兵庫医大での学生への講義にも参加させていただく機会に恵まれました。


 最近の医師をはじめ、医療関係者の風潮として、検査の意味を理解しないまま検査をしてその結果でさらに検査をするといったことが平然と行われていると思っています。理学所見もそうですが、検査も偽陽性、偽陰性があるわけです。しかし、頭ではわかっているつもりでも臨床を行う上で理解していない風潮を感じます。
 例えば、関連する症状がなく、聴診所見も認めない心エコーのみで偶然認められた弁膜症など全く臨床上意味のないものなのですが、専門医や時には心臓外科医に手術適応などを対診するということが平然と行われています。
 また、理学所見が大事とはいろいろな本に書いてあることですが、患者の診療に生かせるプロの技術といった意味で(当然テストで点をとるためでなく)理学所見のとり方を指導できる先生は日本では非常に少ないと思います。私が見学した学生さんはその一端を学べる機会が持てており恵まれていると思いました。
 自分自身も普段より、患者指導、後進の教育などに力をいれているつもりでしたが、伊賀先生のコーチングを実際にみさせていただき、私自身も大きなインパクトを受けました。本当に有難うございました。
 その他、診療所の電子カルテシステム(ダイナミックスとRSBです)は、診療をする医師の目線で作られており、素晴らしいものでした。大病院ではシステムがセキュリティーの面などで複雑になりがちで電子カルテに対してはよい印象を持っていなかったのですが、考えを改めました。
 半日強と短い期間でしたが、貴重な体験となりました。御礼申し上げます。

 

卒後14年目 循環器専門医  2009-6-12